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飴細工の桜銀猫(b15840)と絡操りの金色狼(b40873)の住処。
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きっと、たぶん。
僕は詳しくは知らないけれど、多分その銀猫は。
棄てられた赤い目をした銀猫は。


獅子に、ライオンになりたかったんだってさ。
立派な鬣を風に靡かせて、崖の上に立って吠えるんだ。
そんな夢を毎晩見ては、現実に涙していたの。
もっと、僕が大きかったら。もっと、立派な爪が生えていたら。もっと、大きな声で呻れて、誰もが驚いて逃げ出すような、獅子の身体をしていたならば。

銀猫は、爪を研いだ。
鋭く光るように。
でもまだまだ獅子にはなれない。
銀猫は、吠えた。
力の限り、大きな声で。
でもまだまだ獅子にはなれない。
銀猫は、自分に出来ることを一生懸命、精一杯やった。
だけど、銀猫は銀猫のままで、獅子になんてなれなかったんだよ。

なんで?
愛しいを知ってしまったんだってさ。
ついと、ねこじゃらしを降ってくれる人に出会って、りんと、綺麗な鈴を遊ばせてくれる人に出会って。
獅子みたいに立派じゃなくても、僕は、


綺麗に爪を研いでもね、それは所詮、怖さを隠すためでしかなかったんだよ。
声を張り上げて吠えてもね、それは所詮、鳴き声でしかなかったんだよ。
知らなかった、本当は知っていた?でもね、気付かない振りをしていたの。
どうして?
それは、銀猫が強がりだからだろうね。


銀猫のはなし、今日はもう遅いから、これでおしまい。
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やっぱり、困るかな、困るよね。

だって、君と手を繋げないし、君を抱きしめる事が出来なくなるでしょう。
それに、バイバイって手を振るのも、来ないでって拒否するのもこの手だもの。

何処が愛しいの、と聞かれたらやっぱり手かな。
君と僕が繋がるには、この手が動かなかったら困るもの。
嗚呼でも、君の手が動くなら、君は僕の手を取って笑ってくれるんだろうね。

僕がその時君に、笑い返せるのかは分からないけれども。


羨ましくて、仕方なかった。
君は、僕とは違って、「普通の子供」だったから。
だから、母は君の事を誰より愛したのでしょう?

羨ましくて、仕方なかった。
貴女は、俺とは違って、「普通の子供」では無かったから。
だから、俺は縛られて一つも自由なんてありゃしない。


ねえ、
要らないのなら、寄越し給へよ。
羨ましくて、妬ましくて、喉から手が出るほど欲しかった。
「今はどうなの?」
そう問われれば、今でも確かに、「欲しい」と思う。
君が普通でなくなっても、でも、僕は、君のように「母に愛された記憶」は、無い。

なあ、
それがそんなに嫌ならば、俺に寄越せばいいだろう?
変わりたいなら、変わってあげるのに。君の銀の髪を、赤い眼を頂戴?
「本当に欲しかった?」
そう問われれば、「当たり前だ」、恨みがましい目で君を見て、そう言える。
君は自由だった。俺は、「決まりに縛られて窮屈」だった。


いらないものなら、どうか、わたしに。
願っても願っても、届きはしないのだけれども。


か細い声で笑った、消えてしまいそうな声で、笑った。

そんな君も愛おしくて堪らないの。
そう言う声も掠れていて、今にも消えてしまいそう、で。
抱きしめたら、手が触れたら崩れてしまうような気がして、手を引っ込めた。

嘘を吐くのなら、もっと騙せるような顔をしてご覧よ。
やや皮肉を含むその言葉を聞いて、今度は確かに、笑った。

嗚呼、君は本当に読めない人だね。


あの時、僕が強ければ、今くらいに、力があったら。
そう思うのは、今に始まったことじゃなかった。

「何で死んだの?」涙ながらにそう問えば、僕と同じ顔した彼女は言う、「貴方のせいでしょう?」

君が弱いから、力が無いから、弱虫で役立たずだから、だから、だからだから。
だから親に嫌われるのよ、見捨てられるのよ、そう、誰も悪くない、悪いのは君でしょう?

黙って。

誰に口をきいているの?
喋っているのは僕、君と同じ、いや、僕は君。君は僕。ねえ、違うの?

うるさい。

まぁ、せいぜいそうやって誰かのせいにしていればいいじゃない。
弱いのは誰?グズなのは誰?我儘甘ったれの困ったちゃんは、だぁれ?

黙ってよ、うるさいよ、耳障り、全部、ぜんぶぜんぶぜんぶ。

僕と同じした彼女は言う、「全部君のせい、悪い人なんてだれ一人としていないのよ」、と。
嗚呼、でも確かにそうでしょう、弱かったのは紛れもなく、この、自分。
もっと強ければね、いい子だったらね、沙羅は、嫌われなかったかな。大切な人一人、ちゃんと守ってあげられたかな?

でもね、ねえ、それは、
願っても仕方のないこと、でしょう?

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プロフィール
HN:
沙羅 と 輝羅
性別:
非公開
自己紹介:

桜兎・沙羅(b15840)
魔弾術士×魔剣士の高校2年

自然を慈しみ、戦火をも好む。
天邪鬼で自尊心と嫌悪の塊。
日々の読書と音楽は安定剤。

設定感情

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後小路・輝羅(b40873)
人狼騎士×風使いの中学3年

常時だるだる、やる気皆無。
だがその瞳に揺るがぬ信念を。
戦火を嫌い、夜空を愛す。

設定感情

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