風と共に、風と共に、流れて溶けるように、消えてしまうように、
風化していくのは、
どの感情だったっけ、大好きだっけ、悲しいだっけ、悔しい、それとも、嬉しい?
気付くのが少し、遅すぎた。
もう少し、早く気付けたら、僕は、もっと優しくなれたのかな。
誰も傷付けないで、誰も悲しませないように、優しくなれたのかな。
あたたかいしあわせなんて、とっくの昔に忘れたわ。
幸せな家庭なんて、いつだってテレビの中のお話。
願っても、叶わない。
縋ったって、離れてゆく。
叫んだって、聞こえちゃいない。
縋って、悲しくて苦しくて、「おかあさん」、伸ばした手は払われて、。
それでも、確かに僕は母を愛していて、何時か愛してくれるって信じていて、悪いのは全部僕だなんて、ちいさなお子様のちっぽけな思想。
風化していく、時と共に、
大好きも、悲しいも、どんな絶望もいつか消えて、どんな幸福も、やっぱりいつか消えてゆく。
嗚呼、それでも、
消えない何かを信じたいと思うのは何故です、か?
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